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第42話 この気持ちの正体

Auteur: 秋宮千砂
last update Date de publication: 2026-07-03 18:40:12

 寝室に戻ると、そらは先ほどと変わらない寝息を立てていた。

 台風の音などもう聞こえていないのか、小さく身体を丸め、布団を抱えるように眠っている。

 起こさないよう静かにベッドへ腰を下ろし、颯馬は深く息を吸った。

 外では相変わらず風が建物を揺らしている。

 けれど耳に残って離れないのは、嵐の音ではなかった。

 暗い脱衣所での、イッセイと水琴の会話。

 イッセイの腕の中にいた水琴。

 肩へ顔を預けていた姿。

 イッセイの背中にきつくしがみつく両腕。

 目を閉じても、その光景だけが何度も浮かび上がる。

 あの二人の関係は、ただの友人ではない。

 颯馬は布団へ横になり、腕で額を覆った。

 見なければよかった。

 そんなことを思ったところで意味はない。

 探しに行くと決めたのは自分だった。

 水琴が怖がっていたならそばにいてやりたかったし、具合でも悪かったのなら助けるつもりだった。それは間違っていなかったと思う。

 それなのに、胸の奥へ引っ掛かったものだけが消えてくれない。

 あの時、水琴はイッセイの前でだけ見せる表情をしていた。

 安心しきったような、力を預けるような姿は、自分が知ってい
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